1歳半の娘を観察していたら「人は何故フザケるのか」がわかってしまった
こんにちは。
ストリートライターのフーヘイ(@Fu_HEY)です。
草っ原から失礼します。
ご覧の通り、僕は今フザケてる真っ最中なんですが、僕はいつからこんなフザケた人間になってしまったのでしょうか?
誰かに聞いても教えてくれないですし、自分の胸に聞いてみたところでまったく思い当たる節がありません。
そこで今回は「人はいつからフザケるのようになるのか?」という人類が未だ解明できていない大きな謎に迫ってみたいと思います。
実験に協力してもらうのはコチラ。
娘(1歳6ヶ月)です。
というのも、最近どうも彼女にフザケてる疑惑があるんですよね。
今までは、おっぱいを欲しがって泣いたり、眠くてグズッたりするくらいの素直な子だったんですけど、最近は突然ご飯のお皿をひっくり返して大笑いしたり、食べながら寝たりするんですよ。
これってフザケてないっすか?
フザケてる可能性高いですよね?
ということで、今回は彼女の観察を通して、全世界が解明を待ち望む「人はいつからフザケるようになるのか?」という謎に迫っていこうと思います。
まずはコチラ。
うちの子、マジックが好きなんですよねー。
でも、絵を描くとかじゃなくて食べちゃうんです。
これって「絵を描く道具を食べちゃう」というボケですかね?
「ゲテモノ食べて笑わせる」的な。
その結果、こうなります。
確かにハロウィンではあるけど…。
これは、フザケて…
「ない」ですかね。
この後、鏡で自分の顔を見てギャン泣きしてました。
以上をもちまして「フザケてない」と判断したいと思います。
次きまして、コチラ。
うちの子、何でも頭にかぶっちゃうんですよねー。
これは自分のズボン。
こちらは、パン屋さんの袋です。
これくらいならまだいいけど、時にはうどんやジャムの瓶など、常識ではかぶれなそうなものまでかぶろうとします。
先日は、僕の靴下をかぶっていたので、「それはねぇ、頭にかぶるものでじゃなくて、足に履くものなんだよぉ〜」と優しく取り戻そうとしたところ、いきなり顔面をブン殴られました。
僕から見たらフザケているようにしか見えなかった靴下かぶりも、彼女にとっては何か意図的な試みだったのでしょうか。
大人になると、どうしても常識に縛られちゃってダメですね。
もっと、自由な発想をしないと頭の固いジジイになってしまいそうなので、今度のお休みには僕も頭に靴下をかぶって公園に遊びに行ってみようと思います。
ということで、これは、フザケて「ない」と判断しましょう。
自己表見です、たぶん。
さて、ここまではある程度想定内だったんですけど、怪しいのはこの先です。
続きましてはコチラ。
これはフザけてるでしょ。
だって起きてるもん。
寝てたら「寝相が悪い子だなー」ってなるけど、起きてるもん。
確信犯じゃないですか。
若手芸人が大物相手に果敢に攻めていくというスリリングなボケに通じるものがあります。
これは、フザケて…
「ます」ね!
微妙にTシャツのポーズを真似てるっぽいし。
起きてるもん。
続いてはコチラ。
これは、ポーズといい、表情といいフザケてる可能性が高いですねー。
面白い顔で笑わせるという初歩的なフザケではないでしょうか。
しかし、みなさん、あることに気がつきませんか?
そう、写真の質感が微妙に古いんです。
実はコレ、娘ではなく僕です。
ちょうど娘と同じくらいの年頃でしょうか。
昔の写真を見てたら出てきたんですけど、娘と顔が瓜二つでビビりました。
DNA恐るべし!
真面目な実験中に脱線してすいません。
最後はコチラ。
一見、父親にマンガを手渡してくれているという、微笑ましい光景に見えるじゃないですか。
でも数分後にはこうなっています。
やめてくれー!
ブックオフが買い取りにくる日じゃあるまいし!
やめてくれー!
これは、隣の部屋からワンピースを全巻持ってくるというボケに違いありません。
「もういいよ!」と優しく断る僕のところに、「またまたー!」とニタニタしながら延々とマンガを運んでくる娘。
お笑い用語でいう「天丼」ってやつでしょうか。
最近の保育園はそういうことも教えるんですかね?
今すぐやめてほしいです。
これは、フザケて…
「ます」!
30巻過ぎたあたりからは部屋に入ってくる前の段階でケラケラ笑ってましたもん。
「もっとやった方が面白いでしょ!」って魂胆が丸見え。
文句なしのフザケ判定です。
ということで、結論は!
「人間は、1歳6ヶ月でも立派にフザケる!」
でした。
それと、今回もうひとつわかったことがあります。
人はなぜフザケるのか。
それはたぶん「寂しいから」なのではないでしょうか。
現に、娘がワンピース全79巻を運んで来た日の前日まで、僕は仕事に忙殺され、娘との時間がほとんど持てないでいました。
「もういいよ」と言っているのに、いつまでも本を持ってくるのは「遊んで欲しい」という気持ちの表れだったのではないでしょうか。
言葉が話せない分、その気持ちを行動で示していたのかもしれません。
要するに寂しかったんだと思います。
ということで、最終結論!
「フザケている人は寂しがっている!」
これに尽きると思います。
みなさんも周りにフザケている人がいてもあまり腹など立てず、「あの人はきっと寂しいんだなぁ」という気持ちで、優しく対応してあげてください。
もちろん僕も例外ではありません。
それでは、またどこかで!
死にたくなけりゃ気をつけろ!サハラ砂漠でやってはいけない10のこと
こんにちは。
ストリートライターのフーヘイ(@Fu_HEY)です。
農道から失礼します。
やっぱ緑に囲まれた環境って落ち着きますよねぇ。
自然さいこー!
1ヶ月前からこのブログを始めたんですが、まったくPVが増えなくて困ってます。
今日はアクセス数が、ついに0になりました。
これって誰も読んでないってことですよね?
ってことは、僕は今、虚空に向かって文章を書いてるってことですか?
えっ?
なにコレ、意味あんの?
失意の中、ネット上を徘徊していると、あることを発見しました。
「○○のためにやってはいけない10のこと」といった形式の記事が氾濫してるのです。
世にたくさん出回っているということは、一定の読者を見込めるということに他なりません。
喉から手が出るほど読者が欲しい僕としては、天啓にも等しい気づきでした。
読まれる記事の方程式さえわかってしまえば、こっちのもの。
ということで、僕も万人受けする記事を目指して、この形式に則ったブログを書いてみることにします。
題して「サハラ砂漠でやってはいけない10のこと」!
いってみましょう!
1・乗り合いバスの中で自撮りしてはならない!
サハラ砂漠へ行くためには近郊の町で車またはラクダをレンタルすることになりますが、その町までの乗り合いバスの車内で自撮りをすると、恐ろしく気まずい空気になります。
例えるならば、悪ノリして男同士で行ったディズニーランドで、子どもを抱きかかえた元カノに遭遇した時の気まずさを、グツグツと煮詰めまくって濃度を100倍にしたような感じの雰囲気です。
想像できますか?
できないですよね。
想像を絶する気まずさなんです。
言葉が理解できないので定かではありませんが、表情から察するに向かって右にいる白いターバンの男性は「最近の若者は、どこでも自撮りするのな」と嘆き、向かって左の黒いターバンの男性は「おい、兄ちゃん。車内で自撮りとはいい度胸じゃねぇか」と怒っていたのではないかと思われます。
そして極めつけは、後方から鋭く僕を射抜く女性の目線。
〝人間のクズを見るような目〟とはまさにこのことでしょう。
僕の顔も自然とこんな感じになりました。
表情が気に入らなくて取り直そうにも、「1度のみならず、2度までも自撮りすんのか!」といった無言の圧力により、リトライは困難を極めます。
どうしても、車内で自撮りする場合は、完璧な表情を作って1シャッターで仕留めましょう。
2・ツアーの値下げ交渉はほどほどに!
僕のような貧乏旅行者にとって、節約というのは明日の生活に直結する最重要課題です。
もちろん、ツアー代金も安く抑えるに越したことはありません。
サハラ砂漠のツアー代金は時期や交通手段によって異なりますが、大体が交通費+宿泊費+食費といった内容になっています。
定められた価格がないため、交渉によっては値下げも可能ですが、その時に注意したいのが〝水の本数〟です。
値下げ交渉がギリギリのせめぎ合いになってくると、最後は料金を安くする代わりに1日あたりの水の本数を減らすという切迫した協議に入っていきます。
交渉中は値段を下げることに躍起になっているので「少しでも安くなるなら水なんで減らしてもらっても構わない」という気持ちで承諾しがちですが、行き先はサハラ砂漠だということを忘れないようにしましょう。
売店やレストランがないはもちろん、1滴の水すら入手不可能です。
実際、僕はツアー料金を抑えたいあまり、もらえるペットボトルの数を減らすという道を選び、ツアーでありながら最後は遭難者のような気分を味わいました。
「水を減らす」というカードを切られた時点で、勝負はついてます。
よくよく考えてみれば水の代金は数十円、数百円の話。
値段交渉もいいですが、水はしっかりと確保しましょう。
命取りになりますよ!
3・足跡を頼りにしない
砂漠で最も恐ろしいことはなんだと思いますか?
それは、吹きすさぶ風です。
風を遮るものが何もない砂漠では、常に強い風が吹き荒れています。
その風が砂を運ぶことによって、あらゆる痕跡は消し去られてしまいます。
放っておいたら荷物も砂に埋もれてしまいますし、落し物なんかはまず100パーセント見つかりません。
自分が歩いてきた足跡すら、ものの数分で跡形もなく消し去ってしまうので、景色に心を奪われているとアッという間に帰るべき方向がわからなくなります。
とりあえず周囲を見回すため高い砂丘に登ってみても、その先に広がるのは一向に代わり映えしない景色。
方向感覚はいとも簡単に失われ、自分がどこに立っているのかすらわからなくなります。
迷子を番付けするならば、横綱クラスの窮地です。
特に、普段グーグルマップに頼って生きている人は注意しましょう。
「スマホと共に砂に帰す」みたいなことになりかねません。
しかも、あなたが朽ち果てたとしても、スマホだけは形を留めるという始末です。
4・夜間の外出にはご用心
砂漠で観る夕日や朝日は、この世のものとは思えないほど幻想的なものです。
ただし、夜の砂漠は真っ暗なのでご注意ください。
月が出ていれば影ができるほど明るいこともありますが、遠くを見渡せるほどではありませんし、当然、周囲には街灯などありません。
足跡を砂に消され、闇に視界を奪われてしまっては、もはや八方塞がり。
迷子番付でいえば、余力を残したまま引退した朝青龍レベルです。
どう足掻いても勝機はありません。
冗談抜きに、帰らぬ人になりますよ!
5・安易に裸足で歩かない
サソリがいます。
猛毒を持った蛇もいます。
6・オアシスで泳がない
ツアーの途中ではオアシスに立ち寄ることもあります。
乾いた大地に水が煌めく様子は、まさに砂漠の神秘。
この水を利用して野菜を栽培しているオアシスもあります。
貴重な水源なので、間違っても泳がないでください。
ガチギレされます。
7・試しに植物の種を植えない
文字通り〝不毛〟です。
8・酔っ払ってラクダに絡まない
一緒に行ったフランス人青年がラクダに絡んで、唾を吐きかけられていました。
話によると、怒ったラクダが吐きつけるのは唾液ではなく、反芻物だそうです。
まぁ、一種のゲロですね。
匂いも強烈で、吐きかけられたら最悪です。
9・できることなら、ひとりぼっちで行かない
精神的な問題です。
ひとりで砂漠は身も心も寂しいです。
場合によっては、寂しさに苛まれ、景色や食事どころではなくなります。
どうしてもひとりで行く場合は「なんで、ひとりで砂漠に来ちゃったんだろう」などと考えずに、ひとりぼっちを前向きに捉えましょう。
「ひとりだからこそ出会いがあるかも!」とか「メールを気にしなくていいなんてストレスフリー!」とか、考え方はいろいろあります。
僕の場合は喉の渇きに耐えながら、家族との温泉旅行でビールを飲んでいるところを想像していました。
何もかもが非現実的に思え、一層寂しくなったのでオススメはしません。
10・全裸で遊ばない。
これはサハラ砂漠じゃなくてもアウトです。
暑い時には50度を超えるサハラ砂漠ですが、最低限の服は身につけておきましょう。
モラルが問われます。
以上、サハラ砂漠でやってはいけない10のことでした。
参考になりましたでしょうか?
みなさんもサハラ砂漠に行く際には十分にお気をつけくださいね!
「サハラ砂漠なんて行かねえよ!バカッ!時間返せ!」って方は、今回も本当すいませんでした。
今後も役に立たない投稿が続くかもしれませんが、ジャンクブログなのでノークレーム・ノーリターンでお願いします。
とりあえず、水があって、緑があって、インターネットがあるって、本当に素晴らしいですね!
砂漠もいいですが、生活するなら人里に限ります!
それでは、またどこかで!
地方色が強すぎて素通りできないマンホール集
こんにちは、ストリートライターのフーヘイ(@Fu_HEY)です。
路上から失礼します。
突然ですが、みなさん「マンホール」のことをどう思ってますか?
「どうも思っていない」という意見が圧倒的多数ですよね。
そうだと思いました。
実は僕も、そう思ってたんですよ。
昔はね…。
しかし、昼夜問わず路上でものを書くような生活をしていると、どうしても目に入ってくるのが、マンホール。
しかも、街を歩いていると各地域によってオリジナルデザインのマンホールがあったりするじゃないですか。
それがどうにも気になってしまって、今では旅行に行っても、観光とマンホール探しの比重が2:8くらいになっている始末です。
ひとつでも多くのマンホールを探そうと旅行中は常に下を向いているため、嫁さんから「私との旅行はそんなにつまらない?」とキレられた回数はもはや数え切れません。
僕は、その度に顔を上げ「マンホールよりも君の方が大切だよ!」と、しっかり相手の目を見て伝えるようにしています。
いくら心で思っていても、口に出さないと伝わらないことってありますからね。
女心ってほんとに繊細だよなー。
ということで、今回は僕が見てきた中で、特に気に入っているマンホールをご紹介したいと思います。
まずはこちら!
僕の地元、北海道函館市のマンホールです。
名物でもあるイカを大胆にあしらったデザインですが、いかんせん下の「おすい」という表記が気になります。
マンホールの役目として、地下に何が通っているのかを明確にしておく必要はありますが、これじゃあイカを食べる気も半減しますよね。
せめて「※絵柄と本文は関係ありません」って注意書きするとかしたほうがいいんじゃないでしょうか。
続いては青森県青森市のマンホール。
出ました、ねぶたです。
力強い山車と、その周りで飛び跳ねる跳人の躍動感が見事に表現されていますね。
ラッセラー、ラッセラー!
このマンホールを発見して、喜び勇んで写真を撮っている僕を、付き合って間もない頃の嫁が雪のように冷たく白い目で見ていたことをよく覚えています。
ラッセラー、ラッセラー!
こちらは、宮城県石巻市で出会ったマンホール。
石ノ森章太郎記念館の手前に、代表作『ロボコン』が描かれています。
デザインがポップでいいですね!
「OUSI」の文字もスマートな感じがして、汚水感が薄れているのも好印象です!
夢の国でお馴染みのディズニーランドにも、もちろんマンホールはあります。
トゥーンタウン内にあるマンホールは、ミッキーのデザイン!
夢の国に現実感を持ち込まないという徹底した姿勢には頭が下がります。
ただし、ここは日本屈指の〝マンホールばかり探してたら同行者にキレられるスポット〟なので、マン探(マンホール探し)の際には注意が必要です。
できれば一人で行った方が良いでしょう。
奈良県斑鳩町のマンホールは、桜と紅葉という季節を超えた奇跡のコラボレーション。
こんな現実離れした光景はマンホールの中でしか見られません。
春と秋が一緒にきたような、華やかで落ち着かない気分が味わえます。
奥に描かれているのは、世界最古の木造建築物群として知られる法隆寺の五重塔。
国宝であり、世界遺産にも登録されています。
〝踏みにくいマンホールランキング〟ではかなり上位に食い込む一枚ですね。
言わずと知れた国民的漫画『ゲゲゲの鬼太郎』がデザインされているのは、鳥取県境港市のマンホール。
作者である水木しげる先生の出身が境港市ということで、街中はもう妖怪だらけ。
何も知らずに訪れた外国人の方が、このマンホールを見たらどう思うのかとても気になります。
ちなみにマンホールがあるのは日本だけではありません。
こちらは中国の広州で見つけたマンホール。
ちゃんとした意味はわかりませんが、〝人民排水〟って字面は汚水よりもずっとインパクトがありますね。
一方、ハワイ・オアフ島のマンホールにはシンプルに〝WATER〟の文字。
上水なのか下水なのかわからないように、さり気ない気配りが見て取れます。
スマート!
こちらはフィンランド・ヘルシンキのマンホール。
読めないことよりも、もう二度と開かないような埋まり具合なのが気になります。
これはアルゼンチンのブエノスアイレスだったかな。
かつてドラクエに夢中になった自分としては、ダメだと言われても思わず開けたくなってしまうデザインです。
韓国・ソウルで見つけたのが、こちらのマンホール。
何て書いてあるのかはわかりませんが、漢字の〝上〟という字が無数に書かれているように見えますよね。
真ん中のロゴマークも、上を指差してる人の形に見えなくもありません。
『ゼルダの伝説』だったら、踏んだ瞬間、上から岩とかが落ちてくる仕掛けでしょうね。
最後はこちら。
イタリア・ローマの観光スポットとして有名な真実の口(嘘つきが手を入れると抜けなくなるってやつ)です。
なんとコレは、もともと古代ローマのマンホールだったそうです。
たしか、ウィキペディアに書いてありました。
せっかくだから後の人に写真を撮ってもらったんですけど、想像以上にブレッブレでした。
それなりにガッカリしましたが、今となってはいい思い出です。
それでは、またどこかで!
マサイ族の村には男にとっての天国が広がっていた!
はじめまして。
ストリートライターのフーヘイ(@Fu_HEY) です。
路上から失礼します。
東京はまだまだ残暑が厳しく、最近は光熱費を浮かせるために、道端で仕事をしています。
必然的に雨の日は休みになるので、収入は下がる一方です。
ますます光熱費が払えません。
ホント、これからの台風シーズン辛いわー。
少し前の話になりますが、全財産をはたいて新婚旅行に行ってきました。
行き先はケニアにあるマサイ族の村です。
そこには男にとって天国のような生活が待っていたので、より良い暮らしを求める世の男性たちに向けて、素晴らしきマサイの暮らしをご紹介しようと思います。
▲マサイマラ国立公園行きの小型飛行機。コックピットまではこの距離感
マサイ族とは、ケニアからタンザニアにかけての地域で暮らす先住民族で、総人口は20〜30万人といわれています。
日本では、驚異的な視力とジャンプ力を誇る民族としても知られていますね。
あるテレビ番組の調査では、視力12.0という数値を叩き出したツワモノもいるとか。
一体、どんな世界が見えているのでしょうか?
毛穴の奥の角質とかまで見えるのかな?
裸眼で視力0.1にも満たない僕には想像もつきません。
マサイ族の村を訪れるためには事前予約が必要です。
予約なしで行くと敵が攻めてきたと勘違いされ、排除される可能性もあるので、十分ご注意ください。
また、彼らにとって家畜は貨幣のようなものなので、訪問の際は余計な牛や羊を連れて行かないようにしましょう。
争いの元になりかねません。
我々が訪れたマサイマラ国立公園の中には、マサイ族の村が複数あり、そのうちのいくつかが観光客を受け入れているそうです。
早速、ホテルからマサイ村訪問ツアーを予約すると、ガイドの青年が迎えに来てくれました。
こちらがその青年A君です。
イニシャルにすると容疑者感が出てしまうので、名前にしましょう。
アレックス君です。
本名ではなくガイドをするときの名前だと言っていました。
いわゆる芸名ですね。
ちなみに両手に持っているのは動物のフンです。
アレックス君によると、彼の村はホテルから歩いて20分ほどの場所にあるとのこと。
驚異的な身体能力を誇るマサイ族のスピードで20分なら、運動不足気味な僕だと1時間くらいかかるのではないかと心配になりましたが、歩くスピードは人類共通だったので安心しました。
しかし、驚いたのは、その道すがらの景色。
このように、歩いていると突然キリンに出くわしたりします。
言っておきますが、マサイ族の粋な演出ではないですよ。
正真正銘の野生です。
他にも野良シマウマや野良イボイノシシなどに遭遇しました。
東京でいえば野良猫を見かけるくらいの頻度で野良哺乳類と出会うという環境。
〝野生の王国〟という異名はダテじゃありません。
「このずっと先を見て。ゾウの親子がいる」とも教えてくれましたが、メガネをかけても視力1.5しかない僕には何も見えませんでした。
これは、もしかすると〝驚異的な視力を誇る〟というキャラクターを活かしたマサイジョークだったかもしれません。
今となっては、そのことに気づけなかった自分を恥じるばかりです。
▲集団で草を食む野生のシマウマ
様々な動物のフンを見分ける方法という、今後の人生にどう活かせばわからないテクニックをレクチャーしてもらっているうちに、我々はアレックス君の村に到着しました。
村は木の枝を集めたような柵で囲まれており、その外では複数の男性がおしゃべりをしていたので、僕は思い切ってあいさつをしてみることに。
「ジャンボ!」
子どもがフザけて言うためだけにあると思っていた「ジャンボ」というユニークなあいさつを、まさか実際に使う日が来るとは。
これだけでもケニアに来る価値はあるのではないでしょうか。
しかし、アレックス君によれば「ジャンボ」はケニアの公用語であるスワヒリ語ではあるものの、マサイ族では使わないとのこと。
僕は、自分の勘違いに気づかないまま、意気揚々と謎の言葉であいさつをしたわけです。
外国人が日本人はチョンマゲを結ってると思っているようなもんでしょうか。
たぶん違いますね。
上手い例えが浮かばないので話を先に進めます。
▲マサイの戦士たちと記念撮影。アレックス君以外はあまり笑っていないことが気がかり
村に入ると、今度は女性や子どもたちが歓迎の歌とダンスを披露してくれました。
着ている衣装がみな華やかだったので「いつも、こんな服を着てるんですか?」と尋ねると、「これは祭事用の衣装よ」との回答。
お客さんが来るから着飾るっていうのは、世界共通の女心なのでしょうか。
それとも、お客さんを歓迎するために着飾っているという発想自体が間違いで、単なるビジネスライクな振る舞いなのでしょうか。
前者であることを信じたかったので、それ以上の質問はやめました。
▲歓迎のダンスと、色とりどりの衣装を着たマサイの女性たち
驚いたことに、マサイ族の男性は仕事をしないそうです。
唯一の仕事は、火を起こすこと。
それも、女性たちが貴重な火を絶やさないよう大切に守るので、実際に火おこしをするのは数週間に一度くらいのペースだとか。
かつては、勇気を示すためにライオンを狩るなどの伝統もあったようですが、今は政府に禁止されており、男性たちは時々、気が向いたように家畜の様子を見に行く以外、日がなおしゃべりをして過ごしているとのことでした。
一方、女性はというと、火おこし以外の仕事をすべてこなすといいます。
料理や子育てはもちろんのこと、家を建てるのも女性の仕事。
そのため、マサイ族の家は天井が低いのですが、これには「男性が毎日、頭を下げて家に入ることで、女性への感謝の意味を示す」という意味も込められているそうです。
変なところで謙虚ですね。
▲マサイ族の家。壁に使われているのは泥と牛糞を混ぜたもの
ちなみに、男性があまり働かず、その分女性がせっせと働くというのは、ライオンのライフスタイルと同じだとか。
ライオンのメスは狩りから子育てまで、生活におけるほとんどの仕事を一手に担います。
それに対して、オスが活躍するのは縄張り争いの時だけ。
それ以外のときは、木陰であくびなどしながら、メスが仕留めてきた餌を食べて生活しています。
人間でいったら、完全なるヒモ生活ですね。
しかも、ライオンもマサイ族も一夫多妻制だそうです。
「羨ましい」という素直な気持ちが口をついて出そうになりましたが、これは新婚旅行だということを思い出し、既のところで思い留まりました。
だけど、ライオンと同じということは、女性がメインで働くことや一夫多妻制というマサイのスタイルは、生物的には真っ当な暮らし方とも言えるのではないでしょうか。
僕も人間が作った社会ってヤツの枠組みに縛られぬよう、これからはより自然体な暮らしを求めていこうと思います。
その一環として、今、こうして路上で記事を書いているわけですが、通り過ぎる人々からは真っ白な目で見られ、嫁からは「そんなロクデナシと結婚した覚えはない!」と詰められています。
そうしたプレッシャーに耐えながら生きていると思うと、マサイの男たちは本当に勇敢ですね!
僕は、とりあえず光熱費くらいは払えるよう、明日から屋根付きのベンチでも探そうと思います。
この記事を読んでいる人の中にめちゃくちゃモテまくりで「どの娘にするか選べないYO~~!」なんてイケメンがいたら、マサイ族の村に移住して一夫多妻制で暮らしてみるのも良いかも知れません。
散歩中にライオンに襲われても知りませんけど。
それでは、またどこかで!